第11回 デジタルミュージック入門

パソコンや電子機器の性能の進化により、新しい音楽の楽しみ方がいろいろとできるようになりました。本コラムでもこれまでに進んだ音楽の利用方法をご紹介してきました。今回は、実際にパソコンとインターネットをつかって、どのような楽しみ方ができるかお話ししていきたいと思います。


家庭内で自分のCDを作ることができるCD-R

 
CD-Rドライブ装置とCD-Rメディア。概観はCD−ROMドライブと変わらない。書き込み以外にも、もちろん通常のCDやCD-ROMデータを読み出すことができる。最近はパソコンメーカー製のパソコンで標準でCD-Rドライブを搭載している機種も多い。  

音楽CDや、パソコンのソフトの入ったCD-ROMはよく知られています。どちらも、読み込み専用のメディアとしてCDメディアを利用しています。CD-R(Recordable)は、一度だけ書き込みをすることができる、CDと互換性をもった新しいメディアです。書き込むためには、パソコンにCD-Rドライブと呼ばれる装置を接続し、専用のソフトを使って行うことになります。CD-Rメディアは需要が進むにつれて低価格化が進み、今では一枚50円程度とカセットテープやビデオテープよりも手ごろな価格で入手ができるようになってきています。大手家電店の店頭ではカセットやビデオテープと並んで販売されるようになり、メディアの入手も容易です。CD-Rにデータを書き込む際には、CD-Rドライブ内でレーザーによりデータを焼きこむため、「CD-Rを焼く」という呼び方をされることもあります。






CD-Rで音楽CDを作る

 
CD-Rライティングソフトの画面。画面の指示にしたがって操作をしていけば、簡単にオリジナル音楽CDが作成できる。  

さて、実際に自分でCDを作ることができると、どのような使い方ができるか説明します。まず、音楽CDをそのまま複製することができます。パソコン上で、CD-Rライティングソフトを使って作ったCD-Rは、家庭用や車用のCDプレーヤでそのまま再生できるのです。(個人での使用に限っては、カセットテープやビデオテープと同様、複製をつくることが法律で認められています。)自分で買ってきたCDを、車用や、ポータブルCD用などに複製したり、なくなったり傷つけてしまった時のために、予備のCDをつくっておいたりすることができます。
もちろん、ただそのまま複製できるだけではありません。まるでカセットテープに録音するように、自分の好きな音楽を選んでオリジナルCDを作ることができます。カセットテープと違うのは、音の劣化がほとんどない点と、一度書き込んだら消すことができない点です。自分で音楽を演奏したり、あるいは子供の演奏会などの自分で録音したデータも、ライティングソフトで編集して、CD−Rに焼くけば、親戚や友達にオリジナルCDを配ることもできます。カセットテープやMDと違ってありがたいことは、一枚のコストが安いことと、複製に時間がかからないことです。

音楽を圧縮してコンパクトに

 
MP3や、いろいろな圧縮フォーマットに対応した、リアルネットワークス社のオールインワン・プレーヤソフト。圧縮した音楽を好きな順序で再生したり、CD-Rへの焼きこみ、ポータブルプレーヤへのデータ転送までこのソフトだけで簡単にできる。  

音楽CDの複製や、編集した音楽CDを作る分には、いままでのCDの使い方とあまり変わりませんが、MP3という技術により、デジタル音楽を圧縮することができるようになりました。CDに使われているデジタル音楽フォーマットは、基本的に圧縮を行っていない生デジタルデータで、人間の耳には聞こえないような帯域までデータとして残っていますが、こういう部分をカットし、データをぎゅっと圧縮することができるようになりました。

CDから音楽データを取り出し、圧縮するための機能と、圧縮したファイルを再生するための機能をオール・イン・ワンになったソフトが、何種類も出ています。中でもマイクロソフト社とリアルネットワークス社の製品が広く使われています。

CDの記録容量は約六五〇メガバイト、フロッピーにして四五〇枚分もの大容量です。音楽CD一曲分のデータは、四十〜五十メガバイトもあり、結果として音楽CDには、10曲程度の楽曲が納められています。MP3では、これをたったの二メガバイトと、二十分の一の大きさに縮めてしまいます。これをCD-Rに記録すれば、CDアルバム二十枚分が一枚のCDに収まってしまいます。作った圧縮CDは、先ほどのプレーヤソフトで再生することができます。

圧縮ソフトを使えば、CDアルバム10枚分が1枚のCD−Rに入ってしまう。

圧縮したMP3データの入ったCDは、音楽CDと違って、パソコン以外では再生ができませんが、最近ではMP3データの入ったCDを直接再生できるカーオーディオや、ポータプルCDプレーヤも販売されるようになってきています。

デジタル・オーディオプレーヤを使う
音楽データが圧縮できるようになって、流行してきたのがポータブルタイプのデジタル・オーディオプレーヤです。カセットやMDなどのメディアのかわりに、フラッシュメモリと呼ばれる半導体をつかって、デジタルデータを録音します。CDの元データのままでは、デジタル・オーディオのメモリーを一曲でいっぱいにしてしまいますが、圧縮することによって、CD一枚分を非常に小さいメモリーカードに納めることができます。
いったん転送してしまえばどこにいてもデジタル音楽が楽しめます。CDとちがって、ジョギングなど運動の時に使用しても音とびもなく快適です。

 
デジタル・オーディオプレーヤ用の64メガバイトのメモリーカード。圧縮すればこんなに小さなカードの中にCDアルバム1枚分が収まってしまう。 パソコンからのデータの転送も簡単。ケーブルで接続して、プレーヤソフトで曲順を編集して転送ボタンを押すだけですぐにオーディオプレーヤにデータを送ることができる。


インターネット上で音楽を購入

データが圧縮できるようになり、インターネットでも短時間で音楽データを送受信できるようになってきました。それに伴い、レコード業界各社も、オンラインでの音楽配信に乗り出してきています。日本の楽曲であれば、現在の標準的な販売価格は一曲あたり三百五十円程度。これが安いか高いかは意見の分かれるところですが、欲しいとおもったらお店に行かなくてもすぐに最新の音楽が手に入るというのは便利なものです。ほとんどの音楽配信サイトでは、マイクロソフト社とリアル社のプレーヤソフトに対応しており、簡単にダウンロード、再生することができます。ただし、MP3などのようにコピーフリーな圧縮方法でなく、色々な制限のかかった状態で楽曲が配布されているので、CDに焼いたり、そのメーカー関係会社以外のポータブルプレーヤに転送したりすることができず、いろいろと不便な点が多いです。ここまで便利になったデジタル・ミュージック、もうすこし使いやすくするための努力がレコード業界各社にも必要な気がします。

最新の音楽配信サイト、東芝のdu-ub

宇多田ヒカルなどの最新の楽曲をいち早くダウンロードすることができる。

 

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